家庭の看護 8
慢性疾患は無症状な場合が多く、それでいて静かに進行してゆきます。
私たちは苦痛を伴う症状が強ければ治療にも積極的ですが、自覚症状がないと病気を軽く考え、自分だけは大丈夫だと判断しがちです。
血圧が高いので病院で調べてもらうようにといわれたそうですが、なんともなかったのでそのままにしておいたためにクモ膜下出血で亡くなった40代の男性の例があります。
また腎臓病といわれ治療を受けていた患者さんが、ある民間療法を信じ自己判断で受診をやめた結果、緊急入院をしてきたときには命さえ危ぶまれる状態だったこともありました。
このような自己判断の背景には、病気や治療についての知識不足や誤解、病識が薄いことなどによることも多く、患者や家族の問題だけでなく、医師・看護師からの説明が不十分であったために正しい自己管理ができなかったということも原因となっているようです。
生活をともにする家族の心理的な支えと具体的な食事療法などにおける援助は、自己管理を大きく左右する因子となっています。
高血圧と動脈硬化のために軽い脳梗塞で入院された患者さんが、検査で糖尿病も発見され、塩分制限と糖質・カロリー制限が指示されました。
退院後、家族全員が食事を見直し、健康のために塩分を抑えた食事に変え、具体的な援助をともにおこ
ない自己管理がうまくいっている理想的な家族もいます。